風俗行ったら人生変わった【長編】①

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それならば、また日を変えて会いたい。
お金の尽きるまで・・・。

でも、その後はどうしたらいいんだろう?

告白すればいいのか?
ロクにお互いのことも話さないのに。

というか、もし、仮に、万一、本当に万一、告白が成功したとして、風俗嬢と付き合う?そんなの、人生の選択肢になかったwww

処女厨で、ちょいロリ好きのナイスオタクの俺に、風俗嬢と付き合うという選択は考えたこともなかった。しかし、現実に惚れているのはどうしたことだ。

そう、付き合ったとして、彼女が風俗を続けるのを耐えられるのか?っていうか、俺がかよさんと付き合えるなんて、万に一つの可能性もないだろう・・・。
走馬灯のように様々な考えが思い浮かんだ。

帰り際に、

かよ「あ、俺さん・・・携帯番号とメール交換しましょう」
俺「え???」
かよ「あの、良かったらですけど、話すだけだったら、ファミレスとかでもいいと思うんです。私、だいたい店が終わるのが9時だから、俺さんの都合が良い日にご飯とか食べに行きませんか?」
俺「え???」

一瞬、頭が真っ白になった。

マジで?
俺の人生にこんなこと、あっていいの?

この申し出は夢みたいだった。というか、リアルに夢じゃないかと思ったwww
嘘?俺が、女の子と、つーかかよさんと、店の外で会えるの?二人で食事に???マジで?みたいな。

かよ「これ以上、お金使わせるの、悪いですからwww私でよかったら女の子に慣れるために役立ちますよ。それで、慣れたら、お店に来てください。」
俺「い、いや、で、でも、悪いですよ・・・。そんな気を使ってもうのは・・・」
かよ「ほら、私の気持ちが分かるでしょwww?相手に悪いな〜ってのはつらいんですよwww」
俺「・・・・・・・・・」
かよ「それに、私、東京にあんまり友達がいないし、いつも一人でご飯食べてるんですよ。俺さんとお話しながらご飯を食べたら楽しいだろうなって。」
俺「じゃぁ」

ってことで、俺たちは赤外線で携帯番号とメールを交換した。

かよ「じゃあ、今度は時間を気にせずに、外で会いましょう。」
俺「じゃ、じゃぁまた・・・。」

とりあえず、うれしいけど、これ・・・、やっぱり客との関係だよな。キャバクラでいう同伴って奴に近いのか?でも、かよさんにメリットないしな。乏しい知識で、どういうことが起こってるのかを考えてみたけど分からなかった。

しかし、とりあえず、外で会えるということと、俺はかよさんに嫌われてはいないらしいということが分かった。

いや、嬉しい!嬉しすぎる!!その中に異様な不安!泣きそうな不安!!手に入れてないものを失うような予感というべきか・・・。どうにも表現できない感じだった。

夜の街に消えていくかよさんの後姿を見送った後、俺は笑いながら走り出したwwww
なんか、「わぁ〜っ!!」とか、小さく叫びながら、走ったwwww

俺「嘘だろ?嘘だろ?」

って独り言を言いながら、繁華街を走る俺は、どれだけキモかったろうなwww

なんか、ネオンとか、街の明かりがやけに輪郭がはっきりして、鮮やかに見えた。脳内麻薬となんか関係あんのかな?女の子と二人で会うんだぜ?かよさんと会うんだぜ?それも、何回も会えるんだよ!!しかも、タダでwwww

消費者金融、いかずに済んだwww

街を走ってるときに、メールが来た。
俺は、小走りを止めて、歩きながらメールを読んだ。

かよ「さっそく(笑)明後日、出勤日で9時上がりなんですけども、どうでしょうか?」
すぐに返信した。

俺「大丈夫です!」
返信して、また駆け出そうとして、歩道の植え込みのレンガに、思いっきり、すねを打って、植え込みの中に倒れたwww

すると、植え込みの中から、でかいネズミが二匹、歩道に走り出て、歩いてた女が
「ぎゃーっ!!」
って言って、喚いてた。

俺も、飛び出たのが一瞬、ネズミだと分からず、「うわぁっ」と大声を上げた。
マジでびびった。
実は今でも、その傷がスネに残ってるwww
痛くて死ぬかと思った。

次の日、9時半に、かよさんの店のある駅の一つとなりで待ち合わせをした。

なんか、同じ駅はイヤだった。
かよさんもイヤだろうと思うんだけど、どうだろうか。

俺は10分前について、かよさんを待っていた。
本当に来るんだろうか?嘘みたいだ。

そう、ずーっと「嘘みたい」って感覚が無くならない。
仕事中も、そわそわしていたし。
足が地に着いてない感じ。

すると、かよさんが駅から出てきた。

かよさんがこっちに歩いてくる。
かよさんが、笑って小走りになってこっちに歩いてくる。
なんか、景色にもやがかかってるみたい。
時間がゆっくり流れてるみたいだったのを覚えているwww

走馬灯か?

何回、走馬灯を見るんだ、俺?www
もう、死んでもいいわwww
というか、あの頃のことって、本当にかんっぺきに覚えてるんだよな。
びっくりするくらいのレベルで。

駅から少し離れた居酒屋まで歩く間に、何人かの男がかよさんを振り返ったと思う。そんなに高い靴を履いてるわけじゃないんだけど、そうそう、ヒールじゃないのに、けっこう底が厚くてかよさんは、どうても175cmくらいはあったwww

俺はスニーカーだから163cmからスニーカーで1cmくらい上乗せして164cmくらいか。俺の頭の中には、「手をつながれてる小さな宇宙人の写真」が思い浮かんだ。

ただでさえ、かよさんは綺麗で、半端なく身長が高いのに、俺と並ぶと更に人目を引くみたいだったwww
笑い声が俺に向けられてる気がするwwwま、これは1人のときでもたまにあったが。

あと、見上げて話さなければならない圧迫感。部屋にいるのと、一緒に街を歩くのとは違う・・・。
これは釣り合わんwww

でも、まぁ、なんとか居酒屋にたどり着いたわけだ。ワタミとか白木屋、つぼ八、魚民のようなところだwww

かよ「飲んでいいですか?少ししか飲めないんですけど(笑)」
俺「ど、ど、どうぞ、どうぞ。」
そして俺たちは乾杯をした。

酒が入ると、俺は、今まで話せなかったことを話せるようになってきた。話題は相変わらず当たり障りの無いものだったけど、今までよりも全然、会話が弾むwww

かよさんも、気楽に話している気がするwww
どもらなくなってきたし。

一時間も過ぎた頃、俺は勇気を振り絞って聞くことにした。つーか、店で会ってたら、もう時間なんだよwww

やっぱ、外で時間を気にせずに会うって本当に幸せだよな。でも、どうしても聞きたいことがあった。

それはかよさんに彼氏がいるのか、どうか?だ。
もう、そこを聞かないことには何も始まらない。
俺は勇気を振り絞って、聞くことにした。

俺「か、かよさんって・・・」
かよ「なんですか?」
俺「か、か、彼氏いるんですか?」
かよ「・・・・・・」

おい!沈黙だよ・・・。
まずい、聞いちゃいけなかったか?
というより、まだ飲み始めたばかりだというのに、どうしよう?

かよ「・・・むずかしいですよね・・・。」
かよさんは、考え込んだ様子でゆっくり話し始めた。

かよ「こんな仕事をしてる時点で、彼氏なんて作っていいのかって悩みますし・・・。」
かよ「少なくとも、この仕事をしてる間は、彼氏は作れませんよ。」
かよさんは、ちょっと暗い顔をした。

それは彼氏がいないと、いうことだよな?
それを念押しして聞きたい俺wwww
なんて、言葉の意味が読めないんだwwww
でも、はっきりと、「いない」と聞かないと安心できないという童貞の恋愛能力の無さwww

俺「って、ことはいない・・・ってことですよね?ね?」
かよ「・・・・」
あれ?また沈黙だよwwww
なんなんだ???

かよ「そう・・・ですね・・・。いません(笑)」

ラッキー!!
俺は心の中で叫んだ。

しかし、何か、引っかかる言い方だなぁとそのときおもったけど、それには訳があったんだ。
そのことで、俺は、ひどいめにあうんだけど、それは、後に回す。

とにかく、まぁ、少し引っかかったが、かよさんの口から彼氏がいないということを聞いた俺は、もう、かよさんと「付き合いたい!付き合いたい!」そればか
り考え始めた。というか、もう彼女になってくれるまで、相当、近くね?

かよ「あ、そうだ・・・!携帯とアドレスなんですけど、店の電話のほうも教えときますね。」
俺「え?」
かよ「もし、俺さんが女の子に慣れたら、こっちの携帯に連絡してください。頑張りましょうよ。」
俺「・・・・・・」

ああ、落ちたさwwww
有頂天から真っ逆さまさwwww
所詮、俺は客。
エッチなことは、店の携帯で連絡か・・・。
これって、事実上、線を引かれたってことじゃないのか・・・・。

しかし、外で会えたこと、彼氏がいないと分かったところで、もう俺のdokidokiは止まらないんだよ。

好き。かよさんが好き。
何を話しても可愛い。
どんなしぐさも可愛い。
胸がきゅんきゅんしっぱなしだった・・・。

しかし、そうなればなるほど、今まであまり感じなかった感情が俺の胸に忍び込んできていた・・・。

薄々感じていた感情。
彼女のことを好きになれば好きになるほど・・・。

今、彼女は俺とだけ会ってくれてる。
店にお金を払うんではなく、自分の時間を割いてくれてる。
だから、かよさんのしぐさとか、表情とかが、それがすごく貴重なんだよ、俺にとって。

でも、彼女の唇を見れば、
(あの唇で毎日何本もちん○をくわえて舐めてるのか・・・)
(キスもしてるんだろうな・・・)

彼女の少し開いた胸元を見れば、
(毎日、いろんな男に体を触らせ、舐めさせてるのか・・・)
そんなことばかりが勝手に思い浮かび始めた。

その妄想が止まらなくなってきた。
好きになればなるほど・・・だ。

しかし、そんなことをかよさんに悟られるわけにもいかず、しかも、現実にかよさんは俺の前にいて、すごく可愛くて愛しいわけだし。

こ、こ、これが葛藤かwww
ラーメンとカレーどっちを食べるか悩むとか、そんなレベルじゃねーwww

彼女でもないのに、これを嫉妬というのか?なんか苦しいだけだ・・・。
あいなまがトムファックと同棲発覚して、気を失った奴がいたけど、分かるわwww
自分の彼女でなくても、分かるわwww

そんな俺の感情とは関係なく、時間は経過し、夜も遅くなった。

かよ「楽しかったです!俺さんといると落ち着きます(笑)」
かよ「で、明日も出勤なんですけど、終わったら・・・」

え?誘ってくれてるの?すげー嬉しい!!と同時に、明日も何人もに体を舐められたりキスしたり、それから、そらから・・・と、妄想が止まらない・・・。

かよ「でも、毎日だと・・・俺さんも大変ですよね・・・。」
俺「い、いえ。お、俺も帰ったら一人だし、かか、かよさんさえ良ければ毎日でもいいくらいですよ!」
かよ「じゃあ、連絡していいですか?」
俺「うん!」

そうして、終電前にかよさんと分かれた。
かよさんは、その駅からそんなに遠くない沿線に住んでいるらしい。ということは、俺の駅からだと20分くらいか。

案外近いところに済んでるんだ・・・。

でも、かよさんと別れた後に、地獄は本格化したwww
家に帰って、かよさんがいろんな男に、いろんなことをされているところを想像すると、いや、想像することを止められないんだ。

吐き気やめまいが襲ってきた。
そして、リアルに吐いたwwww

俺が処女厨である理由はこれか・・・。
なるほど。
こういう苦しみがイヤだから処女じゃなきゃいやなんだ。
本能的に分かってたんだなぁ・・・。

でも、好きでいることが止められないんだよ。
どういう地獄なの?これ?
どういう仕組みwww?
乗り越えなきゃいけないことが多すぎる・・・。

それから、メールのやりとりをするようにもなったんだけど、かよさんのメールは、基本、送ってから数分で返ってきた。

最初は、メールを送るのが怖くてさ、返信がなかったらどうしようとか。たまにかよさんの返信が遅れるとネガティブに入ってたんだけど、何日かしているうちに、確実に返ってくるメールにすごく安心できるようになった。

かよさんのことを考えると、好きという感情と、苦しみとで死にそうだったけど、彼女とメールしたり、会ったりしてるときは、幸せだった。

もう、麻薬に近い状態だった。

二回目に居酒屋に行ったとき、俺は聞いてみた。

俺「お、俺・・・ちょっとひどく、どもるときあるでしょ?かよさん、気にならない?」
かよ「え?」

かよさんは心底、不思議そうな顔をした。
逆に俺が慌てるぐらい。

俺「いや、聞き取りづらかったり、はなしづらかったりしなかった?」
かよ「私、俺さんと話していると落ち着くんです。」
かよ「言葉が実感できるって言うか・・・。上手くいえないけど、信じられる人なんだなって。」
俺「そんなこと言われたの初めてだよ。信じられる人かぁ。」

俺「うん、でも、分かるかも。俺もかよさんが信じられるな」
かよ「どうしてですか?」
俺「本当に優しい娘だと思う。うん。過呼吸になったとき、感じた。こんな優しい娘はいないと思った。」
かよ「そんなことないですよwww」
俺「いや、あるよ。うん、ある。」

振り返って1人ごとっぽく言ってたかもしれないけど、我に返ると、

かよ「そんなこと、ないです///」
なんか、かよさんが恥ずかしがっていたwww

どもってるってことを始めて言葉にして、かなり楽になった。
かよさんが、そこに触れてこない優しさってのも分かるけど、ずーっとだと、やっぱり気にしてしまうから。

だけど、更にどんどん好きになってしまう。
どうしたらいいんだろう。
このときの俺の胸のうちは、もうどうしたらいいのか、全く分からず、ぐちゃぐちゃだった。
ひょっとして告白したら受け入れてくれるかも?

でも、万一、付き合えたら、風俗なんて絶対にしてて欲しくない。
だけど、俺はかよさんのことを全然、知らない。
年齢も知らない。後で知ったんだけど、このとき、19歳だったが。
俺と10違い。俺の双子の妹と同じwwwまたキモがられる。

ネットの知識なんだが、風俗が、よくホストとかに貢いでるとかあるけど、そんな雰囲気ではないと思ったし、(まぁ俺の推測なんてあてにならないんだけどね。)あんまり身なりも派手じゃないし、ブランド品を買って贅沢してるふうでもない。今更、すごく月並みな言葉なんだけど、「なんでこんな娘が?」

俺は自分がどもっていることをやっと口にしたけど、どうして風俗なんかしてるの?って訊くことはまだ出来なかった。

その後、2〜3回、同じように居酒屋に行ったんだよ。
距離感は変わらず。
変わらない距離感にあせる(笑)

かといって、これ以上、どうアプローチすればいいのか、分からない。
かよさんのことを訊いて、もっと踏み込むべきか・・・?
でも、一緒にいて楽と言ってくれるのは、俺がそういうことをしないからじゃないのか?
頭のなかで様々な思いがぐるぐる駆け巡りながら、それでもまぁ、楽しくて、笑顔を続ける俺。

しかし、そんな葛藤とは、関係ないところで、かよさんと会えなくなった。

突然、かよさんからのメールが途絶えた。
俺は、用もないのに、メールを送るなんてことは出来なかったので、「飲みに行く約束」と「待ち合わせの時間」を決めるぐらいしか、メールを送ったことがなかったんだけど。そして、かよさんからの返信は、ほとんどすぐに来た。

最初は、メールを送った後、「返信が来ないんじゃないか」なんて不安だったんだけど、そんな不安もなくなった頃だったんだ。

「今日も、飲みに行きませんか?」
というメールに返信が来ない。

返信が来なければ、どうメールしていいのか分からないwww
飲みに誘うときは、かよさんの出勤日なんだ。俺はかよさんか直接スケジュールを聞いて知ってたんだけど、店のホームページを見てみると、その日は欠勤になっていた。

「風邪でもひいたのかな?」
それともふられちゃったのか・・・。
付き合ってもいないのに「ふれらる」というのは、おかしいけども。

次の日、俺は、いろいろ考えた末、
「昨日、お店を休んでましたね?体調でも崩したんですか?心配です。」
というメールを送った。

しかし、そのメールにも返事が来ない。
そして、出勤するはずのかよさんは、その日も欠勤していた。

何かが彼女の身に起こったのか・・・。

それとも、風俗なんて辞めるときはこんなもんで、
もともと、客だった俺との関係もあっさり終わるのか・・・。

たった二日。

たった二日、かよさんと連絡が取れないだけで、俺は、もう精神ががたがたになってきたんだwww
「病んだ」とか、「鬱になった」とか、そのときは思ってたんだけど、今、考えると、単純に、恋ってこんなもんなんだとも思う。

よく分からんけど。恋愛もせず、鬱になったりはしてた思春期だったからなwww
恋愛感情より、鬱の精神状態の方が良く分かるwww

次の日・・・。
店のホームページを見ると、やはり欠勤。
もう、二度と会えないんだろう・・・。

もはやあきらめムード全開の俺。
いつもの、俺に戻ってきた感じがしたwww

不思議なことに、このあきらめムードは、俺に落ち着きをもたらした。
変な懐かしさ、心地よさを感じた。ぶっちゃけ、楽だったwww
かよさんに対して、嫉妬して、吐きまくった感情が遠ざかっていくような気がした。

「ああ、なんか良い夢を見たなぁ・・・。」
そんな気持ちだった。
しかし、甘かったwww
仕事を終えて、家に帰って
夜になると、かよさんのことしか頭に浮かばないwww
「かよさん、かよさん」って声を出して、泣いた。

もう、風俗嬢だから、苦しむとかどうでも良かった。
会いたかったんだよ。
彼女の笑顔とか、仕草とかをまた見たかった。
それだけでいいのに。

彼女のこと、何にも知らない。家も知らないし、年も、風俗嬢以外のこと何も知らない。
連絡しても彼女が答えてくれなければ、それでおしまいの関係だったんだよな。
もし、店に出勤してきても、彼女の連絡がなければ、会えないだろ、これじゃ。

かよさんが、食事を運んできた店員さんに「ありがとう」ってお礼を言ってるところ。
居酒屋で、サラダとか取り分けてくれてるところ。
見上げる巨体のかよさん。
「ごめんなさい、ごめんなさい」って謝っているばかりのかよさん。
実は、そんなかよさんをいつか、守りたいと、思ったヘタレの俺。
やっぱりまだあきらめられない。

俺はかよさんに電話することにした。
実は、電話、したことなかったんだよwww
電話はハードルが高かったからな。

時間は、夜の11時だった・・・。
ひょっとして病気なのかもしれない。
だから、返信もないし、店にも出ないのかも・・・。
変な希望的観測にすがりついて、電話することにした。
いや、もしかしたら、本当に重病かも知れない・・・。

携帯のボタンを押すのが、本当につらかった。
もしかしたら、着信拒否されてるかも・・・。
そんな恐怖が頭をよぎった。
しかし、とにもかくにも、コール音が鳴った。
少しだけ安心したけど、すぐに切りたいような衝動。
それを我慢して、とにかく、コールを聞く・・・。

あ、この電話番号は、もちろん、風俗用の番号じゃない。

コールがなる。
5回、6回。

やはり出ない・・・。

メールも返信がなく、電話も出ない。店にも来ていない。
終わった・・・。完璧に終わった。

そう思って、俺は電話を切った。
ぼーぜんとして、何も考えられない。
自分がどれだけかよさんのことを好きになっていたのか、ようやく分かった。
本気で好きだった。
どうして、思いを伝えなかったのか・・・。
すごく悔やまれた。

でも、それから1時間後、つまり夜の12時にかよさんから電話がかかってきたんだ。

第一声は、「もしもし、俺君?ごめんなさい」だった。

「もしもし、かよさん?」
俺は、そのときの感情をうまく表現できない。
嬉しいのか、びっくりしてるのか。
終わったと思ってたのに、何、この展開はwww???

「かよさん、心配してましたよ」
嘘だ。

かよさんの心配より、自分の心が気になってたくせにwww
でも、とりあえずは、こういうしかなかった。

「ごめんなさい・・・。」
かよさんは、謝ってばかりで事情を話さない。
それに少し声が変だ・・・。
もしかして・・・、もしかして・・・泣いてるの?

俺「かよさん、泣いてるの?」
かよ「・・・・・」
鼻をすすりあげる声が聞こえる・・・。
間違いなく泣いてるんだ!かよさんは泣いていた。
俺は胸が締め付けられるような思いがした。

さっきまで、かよさんとの関係が終わったということに嘆いていたのに、今はまったく違う心境になっている。

かよさんが泣いてるんだよ?どうしてなんだ?
そして、俺は、初めてかよさんの個人的事情に踏み込む質問をすることになった。
だって、そうするしかないもんな。
怖かった。

俺「かよさん、何があったの?」
かよ「・・・・・ごめんなさい、ごめんなさい・・・ヒックヒック」

かよさんは、話さない。
しかし、俺は引き下がらなかった。
なんか、ここでいつものように、自分を引っ込めると、本当に終わりのような気がしたから。

俺「かよさん、言ってよ。何があったの?」
かよ「・・・・・・・・ヒックヒック」

グスグス泣いているだけで、話さないかよさん。
でも、俺は「ひょっとして?」と思った。
俺と同じように、「話したいけど話せない」のかも知れない。
気持ちを上手く表現できないのかも知れない。
こういうとき、どうしたらいい?

というか、なんでいままで、そう思わなかったんだ?
自分のことを話さないかよさんに、俺は聞いたか?
誰だって自分のことを知って欲しいとか思うんじゃないのか?

自分のことばかりで人の心が全然分かってなかった・・・っていうより、興味なかったのか?
なるほど、フッ。そりゃ、ぼっちになるわけだぜ、俺www

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