俺は治雄、会社員28歳
彼女葉子、会社員23歳
秋介、自営28歳(自称非常勤役員?)
俺には付き合って三年になる彼女、葉子がいた。
彼女が大学生の頃からの付き合い。
可愛いいから俺の方から交際を申し込んだのがキッカケだけど、葉子は葉子で俺のルックスが気に入って付き合ってくれたらしい。
因みに、俺はそこまでいい男だとは思わないけど、上の下くらいではあると思う。
葉子は益若?を崇拝していて、実際外見や発言はどことなくホンワカとした雰囲気を醸し出していた。
ただ、つけまつげを絶対にしなかったのは、やはりスッピンにも結構自信を持っていたからだと思う。
葉子が左にいる生活は楽しかったけど、彼女が就職して半年も経った頃から、何となく結婚を意識するような発言をするようになっていった。
女なんて大抵結婚に憧れる生き物だとは分かっていたし、就職して視野が広くなって葉子も感化されたのかな、程度に思っていたが、次第に結婚を匂わせる発言、例えばお互い親に紹介しよう、とかがかなり多くなり、正直少しウザく思い始めていた。
俺は結婚願望が無いわけではないが、そう思える相手がいれば自然とそうなる、という考え方。
葉子と付き合い始めた頃も、彼女が運命の人になればいいな、という思いも当然あったし。
だけど彼女がそう願えば願う程、俺の心は少しづつ彼女から離れていったような気がする。
つまり、俺にとって葉子は「運命の人」ではなかったようだ。
凄く可愛いし、セックスの相性だっていい。
何より、外見とは裏腹な少し控え目で大人しい性格から、俺にはかなり居心地の良い相手でもあった。
なのに、だ。
彼女の存在が少しでも鬱陶しく感じ始めると、もうダメだった。
土日はいつも一緒だったのに、それからは男友達とバイクで出掛けるようになったり、上司とゴルフに出掛けたり、知らず知らずの内に葉子を避けるようになっていった。
はっきり言って、やりたい時にいきなり呼び出したりする事も多くなっていったが、葉子は一切文句を言わずに日曜の夜だろうと俺の部屋に来てくれた。
そんな時も葉子はいつも笑顔で接してくれ、好き勝手で自分よがりなセックスをしても満足してる「ふり」をしてくれていた。
ある夜、いつものように自分が射精する為だけのセックスを終えた後、寂しそうに笑いながら「大好きだよ」と言ってくれた葉子の顔を見た瞬間、俺は覚悟を決めた。
これ以上彼女を苦しめてはいけない、と。
別れを告げた時、彼女は泣きながら「ずっと恐かった」と言っていた。
俺の気持ちが離れかけていた事に彼女は気付いていて、彼女なりに俺の心を取り戻そうと必死だったようだ。
どんなに仕事で疲れていようが、どんなに外が土砂降りだろうが、俺に呼ばれたら本当に嬉しかったらしい。
俺から別れを告げられるかも、といつもビクビクしながらも・・・・・・
俺は泣きながら話す彼女を見て、「悪い事をしてしまった・・・」と感じた。
更にこの気持ちに気付いて俺は益々彼女との関係は修復できないと思った。
本当に好きになった相手なら気持ちを共感するはずだ。
少なくとも他人行儀に「悪い事をした」と思うのではなく、一緒に悲しい気持ちになるはずだと俺はいつも感じていたから。
事実、葉子とも最初はそういう関係は築けていたんだけどね。
ただただ彼女を苦しめた事を謝罪する事しか出来ない俺に、彼女はもう一度チャンスを下さいと言った。
結局葉子とはその時に別れる事はなく、その後も付き合いは続いた。
俺ももう一度彼女を愛そうと努力し、彼女は俺にもう一度振り向いてもらえるよう努力していた。
ある時は彼女があれだけ嫌っていたつけまつげをした事もあった。
俺がつけましてる女を見て「エロいっつうか、色っぽいよな」と呟いていたのを聞いていたらしい。
俺にはそんな事を言った記憶はないのだが・・・
暫くそれまでと変わらない生活を続けたが、やはり俺の気持ちは変わらなかった。
葉子は文句一つ言わずにいつも明るく振る舞ってくれていたけど、そんな葉子を見るのが辛く、二度目の別れを告げたのはそれから一ヶ月後。
でもその時も葉子は別れに同意してくれず、そばに居させてくれるだけでいい、俺に好きな人が出来たら身を引くから、と言われ号泣された。
大人しい方だが決して泣き虫なんかではない彼女が号泣する姿は、それなりに胸に詰まされる思いだったが、この時でさえきっぱり別れる事が出来なかった俺は、本当に情けない男だと思う。
それからは鬱々とした、どうも気分の晴れない日々を過ごすのだが、葉子がいる身で他の女を好きになるなんて器用な事が出来ない俺は、逆に葉子がいっそ他の男を好きになってくれれば、と思うようになっていった。
今思えば、この時の間違った考え方がその後の俺の歪んだ性癖を生むキッカケになったと思う。
ある夜、同僚と飲んでいる時に酔った勢いでこの事を口を滑らせて言ってしまった。
どちらかと言うと陰気で、二次元が恋人みたいなオタク気質の同僚に、あんな美人を泣かすなんて罰当たりだ云々とかなり罵倒されたが、最後に秋介という男を紹介してやると言われた。
つまり、秋介と葉子を引き合わせれば、確実に葉子は秋介に気持ちを奪われる、というのだった。
酔った頭で同僚の言う事を理解するのは大変だった・・・・
翌日、改めて同僚に確認すると、この秋介という男は凄いイケメンで女遊びに長けているという。
本当に葉子と別れたいのなら、この男に会わせればあっという間に葉子は落ちるだろうと。
オタクとイケメンの接点がよく分からなかったが、俺にその気が本当にあるのなら一度会わせてくれると言っていた。
勿論、お願いした。
仕事を早々に終え、スタバで同僚と一緒に秋介と会う事にした。
間も無く、長身でサングラスをかけた男が近付いて来る。
遠くからでもオーラを放つその男を何人もの女が振り返る、それ位の男だった、秋介という男は。
高級な身なりどころか、パーカーとジーンズという格好のその男がサングラスを外すと、男の俺でも一瞬息を飲むほどの男前だった・・・
長瀬智也と草刈正雄を足して二で割ったような小さな顔、適度に筋肉のついた広い肩幅、長い足。
カッコ付ける為にグラサンするのは普通だけど、カッコよ過ぎてそれを隠す為にグラサンするなんて初めて聞いた。
秋介曰く、あれは誰?芸能人?とかなんとか言われながら指を指されるのが死ぬ程嫌になったと。
三人とも同い年という事もあってすぐに打ち解けたが、最後に秋介に「治雄君も最中に連絡入れた方がいい人?」と聞かれ、すぐにオタクが「治雄の場合は別れさせさえすれば良いみたいだから」と遮っていた。
秋介から「自分の彼女や嫁を差し出す人の中で稀にそういう性癖の人がいる」と聞いた。
この時の俺は寝取られの嗜好が何もなかったので、兎に角葉子との事で何か進展があった時に連絡くれればいいよ、とだけ返事した。
早速、会社帰りに四人での飲み会をセッティングした。
葉子はウッキウキ・・・・
彼女は俺の同僚や友人達との飲み会はいつもハイテンションだ。
俺の知り合いに紹介してくれてるみたいな感じが嬉しいんだと。
オタクとは何度か面識もあったし、オタクに美人だ!可愛い!とかいつも褒められまくっていたから、そういうのもテンションを上げるのに一役買っていたのかもしれない。
予定通り、三十分程遅れて秋介が登場。
相変わらずカジュアルな格好だが、店に入るや否や、そこにいた女達の視線を集め始める。
俺は葉子の最初の反応が楽しみだった。
俺が隣にいるのにも関わらず、恐らく秋介に一瞬でも釘付けになるだろうと思った。
それは予定通りでもあるのだが、正直本当にもしそうなったら少し妬けるかも、とも思っていた。
「今晩わ」そう言いながら葉子の向かい側に座る秋介。
葉子は秋介の存在にハッと気付くと、軽く席を立ってお辞儀をした。
でも、それだけ。
一礼してまたお喋り再開。
全くいつもの通り。秋介を特に見るわけでもなく、あまりに普通。
ちょっと拍子抜けしてしまった。
適度にお酒が入って葉子も饒舌になるが、いつもの通り目の前の男ども三人に満遍なく会話を振りながら気配りも忘れない。
思わずオタクとも目を合わせたけど、葉子も秋介も自然体そのまま。
寧ろ俺とオタクの二人の方が挙動不審なくらい。
期待外れでガッカリ来たのと、ほんの少しホッとしたのも事実。矛盾してるけどね。
一度葉子がトイレに行った時、微妙に追い掛ける感じで秋介が後を追ったけど、やっぱりその時も何も無かった。
結局期待した事は何も起きなく、飲み会はお開きとなり、俺は最寄り駅まで葉子を送った。
途中、「秋介って、凄いカッコ良かったな」と振ると「そうだね。でも治雄の方が全然カッコいいよ」とニッコリ微笑む葉子。
今回の作戦は失敗か?と思ったが、でも葉子の笑顔を見るとそんな事はどうでもよく、いや寧ろ失敗して良かったかな?と、相変わらず矛盾だらけの俺。
だが、イケメンの手の早さは凡人の考えるレベルでは追いつかなかった。
部屋に着いた頃、秋介からメールが来た。
「これから葉子ちゃんにメールするから」
いつの間にアドレス交換していたのだろう・・・・
俺は慌てて秋介に電話して、どうやってアドレスを聞いたのか質問した。
どうやらトイレの時に葉子に聞いたようだが、葉子は直接教える事はなく、そんなに知りたければオタク君に聞いたら?と答えたとの事。
確かにオタクと葉子はアドレス交換はしているが、殆どメールした事はないはず。
この時、俺は得体の知れない妙な興奮を感じていた。
これから起こる事に対する期待感とかではなく、秋介とのやり取りについて葉子が一言も俺に話さなかったということに、だ。
眠れないでいると、三十分位後に秋介から電話が来た。
来週、また四人で飲みに行く事になったと。
秋介は葉子にメールではなく、電話で喋ったと言っていた。
「メールはまどろっこしくて」と、俺にも電話で報告してきた。
秋介は葉子に二人で飲みに行こうと誘ったらしいが、葉子に「ダメだよそんな事を言っちゃ。治雄とオタク君には内緒にしてあげるから、もうそんな事言わないでね」との事で、なら四人で、となったらしい。
「でも治雄君とオタクはドタキャンという事で頼むね」と秋介に最後に言われた。
いよいよ秋介のペースで「別れさせ」が始まった。
当日、オタクのドタキャンは秋介の口から伝える事にして、俺は待ち合わせの五分前に葉子にドタキャンを電話連絡。
葉子のテンションは下がりまくりで、なら今日は無しにする、という彼女を説得するのが大変だった。
「オタクもいるから、一時間だけでも付き合ってやってくれ」
と言って無理矢理参加させた。
俺が部屋に着くと9時。
誰からも連絡は来ない。
6時待ち合わせの店に葉子がいったら、そこには秋介一人だけ、というシチュエーションのはず。
何も連絡がないという事は、間違いなく二人で飲んでいるはず。
もう興味を無くしかけている筈の女なのに、何故か胸が熱くなる。
今までは俺の掌で踊っていた女が、他の男と三時間以上一緒にいる。
俺はシャワーを浴びる時間すら惜しんで、ひたすら秋介からの連絡を待った。
暫くすると、来た。秋介からのメール。
「今2件目、カラオケボックス。悪いけど、本当に俺行っちゃうよ」
行っちゃうって、どういう意味?
落としにかかるという事か?それとも、まさか射精するという事?!葉子に?
頭が混乱したが、もう今更俺にはどうする事もできない。
何をするつもり?とリメールしても音沙汰なし。
これが11時まで続いた。
「葉子ちゃんの唇貰ったよ」
たった一行のメール。
その一行のメールを見ながら、俺はオナにした。
そしてあっという間に射精した。
もう好きだとは思えない女のはずなのに、心の奥底から湧き上がるようなドス黒い感覚。
そして異様なまでに勃起した自分の股間を見て戸惑った。
「詳しい事はまた後日」
秋介からのそのメールを見た後、速攻で葉子に電話。
でも出ない。
まさか、キスの先を今二人で?・・・・・・
再び勃起。もうどうしようもないくらい硬く硬く勃起。
右手を猿のように上下させて、結局それから三回射精してやっと落ち着いた。
夜は一時を回っていたが、二人から一切連絡はなし。
これが俺の生まれて始めての寝取られせ、です。
ここから色んな歯車が狂ってしまいました。
結局、あの夜は二人から連絡はなくて悶々として朝を迎えた。
これって嫉妬?とか思い始め、何故別れようと思った彼女に対してこんな気持ちになるのか分からなかった。
と言うか、そういう心を認めたくなかったんだと思う。
それで午前中秋介から電話があったんだけど、あいつすぐに「なんか動揺してない?」と俺の気持ちを見透かしていた。
「心配しなくてもいいよwキス止まりだから」
と言われた時は正直ホッとしてしまった。
このキスも、秋介が歌ってる時に丁度そういう雰囲気の歌詞のところで、どさくさでキスしたらしく「酔っていたのもあるけど、意外とすんなりと」いったらしい。
帰りは手を繋いで途中まで送ってくれたようだが、何気に俺はそれが一番こたえたような気がする。
次回の約束はその時取り付けたけど、二人で、とは葉子は思っていないはずとの事。
「その辺はっきりさせると約束してくれないから。微妙にズラしといた」
その日の夜、仕事を終えて帰ると平日にも関わらず葉子が部屋に居た。
昨夜の事を俺に謝るつもりなのかと思ったらそうではなく、キスした事は一切言わなかった。
ただ、「あの人と一緒だと、ジロジロ見られて恥ずかしかった」とだけ言っていた。
秋介とのキスの事を隠す葉子に異常に興奮した俺は、その夜葉子を抱きまくった。
一度くらい射精しても興奮は収まらない。
付き合い始めた頃のように、連続でその後も二回抱いた。
葉子もいつになく興奮していたようで、俺の口中を彼女の舌が下品なほどに舐めまわしてきた時には、勃起が半端なかった・・・
多分・・・・・・秋介の事が頭から離れていなかったんだろう。
悔しくもあり、嬉しくもあり、が正直な気持ちだった。
その週末、四人で飲む事になった。
何も知らないオタクが俺と葉子と秋介を誘い、元からそのつもりだった葉子が二つ返事、秋介が間にはいる隙もなかった。
しかし、この飲み会で二人の仲は大きく前進してしまう。
途中、葉子がトイレの為に席を立ったのを追い掛けるように秋介がついて行き、20分程戻らない時があった。
俺はその時何かあったはずだと思ったが、葉子はそんな素振りは一切見せない。
でもそんな態度が俺を益々興奮させた。
一次会が終わった頃、秋介が方向が同じなので葉子を送っていくと言い出し、それに対して何も反論しない葉子。
こういう事だったのかと。
後で秋介から聞いた話。トイレ付近での出来事。
葉子がトイレから出てくるのを待ち構えていきなりキス。
葉子は結構抵抗したらしいが。
「治雄から二人はうまくいってないと聞いている」と言うと、凄く驚いた様子だったとの事。
そのまま「男は嫉妬させるのが一番だよ。
治雄を嫉妬させれば葉子ちゃんの方を振り向いてくれるかも」と、言葉巧みに口説き、この時一緒に帰る約束をしたらしい。
「途中まで一緒に帰るだけだからね?」と何度も葉子は念を押していたと言う。
ただ秋介に言わせれば、「この時点で既に落ちてたよ。俺は大義名分を様子ちゃんに与えただけ。彼女自身に対する言い訳を作ってあげただけだよ」との事。
俺は信じられなかった。つい数日前にあれだけ激しく抱き合ったのに、「前回二人で会った時に半落ち」していたと秋介は言っていた。
事実この夜、挿れる寸前まで二人は行った。
全て秋介から聞いただけだから、本当かどうかなんて分からない。
まして葉子は相変わらず何も言わなかったから。
だけど秋介が嘘を付く理由もない。
秋介から聞いたその夜の事。会話は俺なりに色を付けた。
二人で手を繋いで歓楽街から少し離れたところを歩いていると、「秋介さんと一緒にいると視線が痛いw」と言われた。
「嫌なの?」と聞くと「そんな事もないけど」との事。
何も言わずにホテルの前まで行くと「私そんなつもりじゃない」と流石に渋ったらしく、秋介は無理をせずに公園に誘った。
そこで肩をだいてキス。
最初硬かった葉子の表情も、何度もキスをしているうちに柔らかくなった。
「キス、上手だね」
「誰と比べてるの?」
「・・・・・・」
みたいなやり取りだったらしい。俺はここで勃起してしまった。
慣れてくると舌を入れても抵抗しなくなったので、どさくさで胸を触ろうとするとやんわりと断られた。
「だめだよ・・・私彼氏いるんだから」と言ってたらしいが、ならばという事で葉子の手を導いて秋介の股間をジーンズの上から触らせたらしい。
葉子はおっかなびっくり、だけど手をどかせようとはしなかった。
ただ一言、「凄いね・・・・・・」と言ってたらしい。
秋介は「俺の立たせたら超デカイ」とは以前から言ってはいた。
お互い服の上からあれこれイチャついた所で「俺、もう行かなきゃ」と秋介の方から帰ろうとしたとの事。
で、「今度の水曜日の7時にここで待っている。キスの先をお前としたい。嫌なら来なくてもいい。今日の綺麗な身体のまま、来てくれたら嬉しい」と言って葉子を置いて帰ってきたらしい。
この話を聞いてから水曜日まではもうドキドキで、何も無かったかのように毎日俺に電話してくる葉子が愛しくて堪らなかった。
そしてどうしても水曜日になる前に葉子を抱きたくて、火曜日の朝に今夜俺の部屋に来い!と言ったんだけど、
「また後で連絡する」とだけ言って電話を切る葉子。
その日の午後、葉子からは電話ではなくメールが来た。
「今日はやっぱり行けない。週末に行くからね!ごめんね」
本当に来れない理由があったのかもしれないけど、であれば必ず葉子は理由を言うはず。それを言わないということは・・・・・・
と考えるだけで勃起して酷かった・・・・・・
当然、三回くらい自慰。
水曜日、約束の時間キッカリに秋介は公園へ。
葉子が現れたのは30分後くらい。
「いつまでも待ってるって言ったから・・・・・・」と真っ赤な顔で言い訳していたとの事。
「だから、もう大丈夫だから。おうちに帰ってね?」
みたいな意味不明な事を言っていたらしい。
秋介は何も言わずに手を引いてホテルに向かうと、途中少し嫌がったそぶり見せたけど、基本従順だったとの事。
エレベーターの中で握った手を恋人繋ぎに変えると、葉子はギュッと握り返してきたので、そっと顔を寄せると葉子の方から唇を預けてきた。
「綺麗なままの身体?」と聞くと、葉子は恥ずかしそうに微かに頷いていたとの事。
綺麗な身体とは、つまり俺とはエッチしてないという事。
そして部屋に入るとシャワーも浴びずにすぐに抱いたとの事。
一回戦後、葉子が一人でシャワーに行った時、秋介は俺にメールしてきた。
「今、一回抱いたところ。俺のセフレにしようかと思うんだけど、いいよね?」
返答に困ってしまった。
本来、別れさせてさえくれれば良いはずで、その後の事は関係ないと思ってたのに。
苦し紛れに、「終わったら連絡くれ」とリメール。
するとすぐに秋介から「終わるの、下手すると朝だよ。俺は明日何もないから」と来た。
それでも良いからとだけメールした。
実際、興奮して目が冴えていたので、夜中の0時になっても全然眠たく無かった。
と、言いつつも知らず知らずの内に寝てしまっていたようで、
目覚ましで朝の6時にいつも通り起こされた。
慌てて携帯を見てみると、朝の4時に秋介からメールか入っていた。
「ほぼ7時間に渡る拷問が今終わりました(笑)」と書いてあった。
あいつなりのジョークなのかもしれないが、一体どんな事があったのか聞きたくて聞きたくて仕方無くなり、秋介に電話してしまった。
でもすぐに出る秋介。葉子は始発で自宅に戻り、その後着替えてから出社すると言っていたらしい。
「あの子もタフだね。俺以上にタフかも(笑)俺は帰って寝るわ」
「拷問ってなんだよ!」
秋介は後でゆっくり話すので今は勘弁してくれ、と言っていたが、朝っぱらから悶々としていた俺はしつこく食い下がった。
秋介は笑いながら教えてくれた。
五回やった事。
最初の一回だけはゴムを付けたが、後は全て生という事も。
最後に「葉子ちゃんと相性いいかもしれない。だからセフレにしていいよな?」と言われた。
また答えに詰まっていると、「やっぱり治雄もMじゃないか(笑)」と笑われた。
始めて秋介に葉子が抱かれた翌日、夜に秋介からその時の事を聞く事にはなっていたんだけど、午前中葉子に「昨夜全然連絡なかったけど、ひょっとして飲んだくれてた?(笑)」とふざけてメールしてみた。
また嘘つくのかな?だとすると、ムカつくけど興奮するかも、と思いながらリメールを待っている間にもう勃起。
しかもこれがまたなかなかリメールが来ない。
明らかに動揺してるか、言い訳考えてるか、だよなと。
それで昼に来たメールには「ちゃんと家にいたよ。ちょっと熱っぽかったから」と書いてあった。
確かに「秋介とセックスしてました」なんて言えるわけないけど、それでも嘘を付く葉子が愛しくて可愛くて、そして滅茶苦茶にしたい衝動にあっという間に駆られてしまう。
熱は大丈夫かと心配しながらも、もう大丈夫だよという答えを引き出して逃げ場を無くしつつ、「じゃあ今夜会おうよ。絶対会いたい!」と強くラブコール。
するとまた微妙に間が空いてから、「ごめん、今日は○○子と約束あるから」と、また苦し紛れに言い訳。
単純に朝まで生で秋介にやられてたからだろと突っ込み入れたくなった。
でも俺も秋介とやって丸一日も経ってないのは嫌だから、これ以上は突っ込まずに、笑って許してやった。
その日の夜、秋介とオタクの三人で飲み。
俺も秋介もオタクの存在は全然気にならないので、ありのまま秋介に昨夜の事を話してもらった。
まず一番俺が気になってたのは「拷問」の事。
拷問みたいな酷いドSを葉子にやったのか、或いは葉子みたいな女とするのが秋介的に拷問だったのか?と。
秋介は笑いながら答えた。
「そんなんじゃなくて。いや、いき過ぎると拷問らしいから、女は。最後の方は声枯れてたよ葉子ちゃん」
五回やったと秋介は今朝言ってたけど、それは秋介が射精した話で、葉子自身は「数えきれない位」いってたらしい。
ちょっと唖然としてしまい、あんぐりと口を開けてると隣でサラッとオタクが言った。
「秋介、あれデカイから。身体全部女泣かせなんだよ」
俺的にはネット知識だが必ずしも女は大きいのを好むわけではない、寧ろ痛がるから不人気、との認識だったから、ちょっと意外だった。
秋介は笑いながら「それはその通りだけと、結局は「使いよう」だよ」と言っていた。
暗にテクもあるんだぞ、という事だろう。
でもそういう理由以上に葉子とは「相性」がいいとも言っていた。
秋介曰く、葉子は非常にいきやすく、抱き心地の良い身体との事。
「抱き締めた時に身体が溶け合うように肌が一体化する感覚」があるらしい。
俺としては誰とやっても同じく一体感は感じられるので、秋介の言ってる意味はあまり理解できなかった。
昨夜の事を細かく話せと言うと、
「やっぱり治雄ってMだろ?彼女他人に抱かせて興奮するんだろ?だからやってる時連絡するかって聞いたのに(笑)」と言いつつも、以下の事を事細かに話してくれた。
まず部屋に入ってからキスすると、拒みはしないものの無抵抗、無反応。
次にキスしながら服を脱がそうとすると少し抵抗し始めた。
こういう時は秋介は無理をせず、まず自分が脱ぐ事にしているとの事。
自分のベルトに手を掛けて脱ごうとすると葉子はやんわりと「え?本当に?・・・・・・」と言ったけど無視して下半身裸になった。
当然勃起したチンポが露わになるのだが、大抵の女はここで黙るらしい。
葉子も同じだったとの事。
もう一度キスすると、ちゃんと舌も絡めてくれたし、背中に手を回してもくれた。
その後はお姫様抱っこでベッドに運び、徐々に脱がせて一通り愛撫して挿入。
ここまでは余裕を保ちながら、相手の様子を伺いながら優しく抱くらしい。
この時点で葉子が奥で感じられる女という事、Mっ気があるという事、自分に対して好意を持っている事を確信したとの事。
一回目終えた後、散々いきまくっていたくせに、葉子は少し泣いていたみたい。
秋介はあえて気付かないふりしたらしい。
そして葉子がシャワーを浴びてる間に俺に連絡、その後すぐにシャワー室に入ろうとするが、頑なに拒まれたので部屋で待機。
シャワー終えてベッドに戻ってきた葉子はバスタオルを身体に巻いたまま。
「着替えないんだね、今日遅くなっていいって事だね?」と聞くと、慌てて服を着ようと立ち上がったので、押さえ付けてキス。
そして至近距離で見つめる。とにかく見つめる。
最初は恥ずかしがって目を背けるけど、次第に目を合わせ始め、真っ赤な顔で とろんとした表情になったとの事。
秋介はこの瞬間が大好きだそうだ。
「自分のものになった」と実感できるからだそうだ。
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