両想いだったのにヘタレ過ぎて家庭教師に寝取られた

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中学卒業後の沙織とHの関係は、いろんな事があったようだ。
そして、その1つ1つの出来事が俺が今からでも逆転できないかという淡い希望を粉々に打ち砕く。

中学校を卒業し、約1週間後には高校の入学式が、Hも社会人として働く時が来る頃。
2人は1泊2日の旅行に行った。
もちろん沙織は親には言ってない。友達の家に泊まりに遊びに行くと嘘をついていた。
2日目は沙織の15歳の誕生日だった。その日を2人で過ごしたかったらしい。
しかし、口裏を合わせていなかったらしく、誕生日にその友達から家に連絡が来てしまう。
旅行から幸せな気分で帰ってきた沙織に、母親が問い詰める。
そしてバッグの中身を確認され、旅行に行ったのがバレた。
もう逃げられないと思った沙織はHに連絡を取ることに。
近くのレストランで、沙織、沙織の両親、Hの4人で会う事に。
沙織とHは真剣に付き合っていることを両親に伝えたそうだ。
そしてその想いが伝わったのか、両親は2人の付き合いを認めてくれることに。
絶対に別れさせられられると思っていたので、意外だったようだ。
この後、両親の公認に。

沙織が高校生になってからは、Hは社会人なので週末しか会えなくなった。
しかし親の公認になっているので土・日は気兼ね無く会っていた。
お互いの家も近いので学校帰りに直接行く必要もない。
土曜日は学校から帰ってきて、私服に着替え、公園で待ち合わせたりHの家に直接歩いて行っていた。
だから、自転車はいつも置かれていたのだ。
自転車が有るから家にいるのではなく、ただ自転車を使う必要が無かっただけなのだ。
妹のMもCさんと付き合っていた頃は車で行動していたから、その可能性も考えれるはずだったのに・・・

俺と沙織の家は住宅の列の一番かどで、沙織の家の玄関は俺の家の正面では無かった。
正面なら人の出入りに気付くかもしれないが、違う道路に面した側にあるので気付けなかった。

さらに疑問点が。
普通デートの帰りにHは沙織を家まで送るはずだ。
なのに、毎週末に沙織の家の前で車が止まっているのを見たことがなかった。
おかしいなと思ったら、高校入学直後の日記に理由が書かれていた。

Hは俺と沙織が中3のときに大学4年、そして1浪していた。つまり年齢的に8つ上になる。
俺の姉のKも8つ上。姉とHは同級生で顔見知りだったらしい。
沙織の両親の公認を得た直後の3月下旬。Hが沙織の家から歩いて帰る際にたまたま姉と会い、
沙織の向かいの家が俺の姉が住んでいる家だという事を知り、
あまり沙織の家の方まで来たくなくなってしまったとの事だった。
元々沙織も俺や俺の家族を含め近所の人にバレる可能性が低い方がいいと思っていたので、
それ以降は余程の事が無い限り、待ち合わせした公園までしか送ってもらわなかったようだ。
日記を読めば読むほど、2人の付き合いを気付ける可能性が薄かった事が分かる。

その後も、週末や祝日にだけ会うというスタンスは崩さずに、付き合いは続いていた。
お互いの家は家族がいるし、Hも社会人で金を持っているのでホテルに行く事が多かったようだ。

考えてみると高校入学と同時に相手は新社会人。勉強を教えてもらっていた関係。
沙織とHの状況は、妹のMとCさんの状況と似ているなと思った。
片方は高校入学後2ヶ月で終わり、片方は高校卒業間近でも続いている、その差の理由は分からなかったが。
俺は、沙織は恋愛に安心を求めるタイプ、妹のMは刺激を求めるタイプだったのではと思っている。

順調にずっと行っていた2人の付き合いだが、1回だけ大きなヤマ場が有った。
高2の10月、沙織が妊娠しているのが発覚したのだ。
産むのか堕ろすのか、そして2人の付き合いはどうするのか。
沙織と両親、Hとその両親と妹の7人で会い、話したそうだ。
沙織は結婚して産みたかったが、年齢的や世間的な問題も考え泣く泣く中絶する事に。
そして、沙織が短大を卒業したら結婚するという前提に付き合うことで責任を取る事に。
ある意味、沙織は高2の秋の時点で婚約していたのだ。

その後は、ちゃんと避妊に気をつけるようになったみたいだ。

高3の8月、姉はその月に会社の同僚の人と結婚した。
その直前に荷物整理で実家に帰ってきた時に、沙織と会っていた。
多分沙織にいらないものを押し付けようという名目だろうが。
俺は夏期講習で出かけていたので、家に来た事を知っていた程度だった。

姉は俺と沙織の事を中学時代までしか知っていないので、
俺と沙織が付き合っていないので、俺と同じように沙織に恋愛経験が無いと思っていたらしい。
だから沙織に彼氏がいるのに驚いたが、その後2人でお互いの恋愛話をしたらしい。
沙織は彼氏が姉と同じ年だとは言ったらしいが、Hだとは言わなかった。
少しセックス関連の話もしたらしいが、詳細は書かれていなかった。

姉は俺の事を気遣ってなのか、何日か家にいたが沙織のことは一切口にしなかった。

高3の11月の中旬、もう日記も終わりの方だ。
沙織の内部進学が決定。短大の学部も決まる。
短大は高校とは違い、電車で1時間半近くかかる都内にある。
Hの働いている会社も都内で短大から比較的近い場所にある。

お互いの家の公認も有るとの事で、
沙織は両親に、短大に入ったら都内でHと暮らしたいと言った。
両親は当初反対したが、沙織の説得に負けたようだった。
まだ場所は決まっていないけど、3月中には引っ越す事にしたらしい。

この中3から高3までの日記を、丸1日半かけて読んだ。
日記を読み始める前は、付き合う方法はないかと希望を持っていたが、
読み終わった後にはそんな希望・願望は微塵も無くなっていた。2人の間に入り込める余地は無いから。
もう沙織のことはきっぱりと諦めなくてはならないと感じた。

10年以上片想いしていた沙織への失恋は、かなり俺にとって重くのしかかった。
大学に合格して沙織と付き合うという目標を失い、全く勉強をしなくなった。
予備校にも行かなくなり、周りからは受験ノイローゼみたいに思われたりもした。
本当の理由を知っているのは俺だけだったが。
その後、沙織の部屋を覗ける窓はずっと雨戸をかけていた。沙織の事を思い出さないように。

何ヶ月かしてようやく持ち直し、改めて予備校に通い1浪で大学に合格した。
全ての思い出を忘れるために、地方の大学に行った。
沙織や妹のMみたいに、女は年上で勉強教えてくれる人に弱いのかと思い教職も取った。
そして、4年のときにHと同じように俺と沙織が通っていた中学校に教育実習へ。

しかし、Hと違い俺は背も高くないし格好良くなかった。
そして恋愛経験も無いままだったので、女の子との接し方も全然分かっていなかった。
1人可愛い中2の子に目をつけてメアドを交換したが、すぐに気味悪がられて終了。
世の中は上手くいかないみたいだ。

1回、海に行って童貞を捨てるチャンスも有ったが、寸前のところで失敗に終わった。
まあこの時は、失敗に終わってよかったという思いもあるが。
でもつくづく俺には女運が無いのかなって思った。

今年の4月から自宅に戻り社会人としてスタートしている。まだまだ仕事覚えている最中だ。
相変わらず彼女いない歴=年齢だが、身の丈に有っているのかも。
なるようになればと思っている。
失恋以降、女の人に対して恐怖感を持っているかもしれない。

沙織の家族は、俺が大学1年から2年の間の3月に引っ越してしまい、
それ以降母親同士の連絡が時々ある程度だ。
今は沙織の部屋が有った場所には小学生の男の子が住んでいる。

家族や中学時代の知り合いから聞いた話になってしまうが、沙織のその後はというと・・・

予定通り高校の卒業式が終わってから数日後に引っ越したらしい。
短大に行きながら念願の2人きりの生活を始めたが、その生活は長く続かなかった。
別に喧嘩別れしたわけじゃない。
また沙織のお腹にHとの子供が出来たからだった。
沙織は短大を辞め、Hと結婚する事に。
すぐに籍は入れたが、結婚式はしなかったようだ。
出産後に親族だけで行ったという話も有るが、実際がどうだったのかは不明だ。

そして、年が明けて2月か3月に男の子を出産した。
沙織の両親が引っ越しの時、沙織も部屋の整理なども有り手伝いに来たらしい。
両親と共に沙織も挨拶に来て、その男の子も連れてきたらしい。
俺の母と妹は結婚した事自体知らなかったのに、
いきなり沙織の子供が、しかももう1歳だったのですごくビックリしたそうだ。
まあ年齢的な物も有るけど、驚いて当たり前だ。
その日の夜に、母から俺にすごい勢いの電話がかかってきたのを覚えている。

それ以降は沙織に関する情報はほとんど無いが、
4歳になった男の子と1歳になる女の子の2児の母になって幸せに暮らしているそうです。

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